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Webマーケッターの将来について考えてみた

Webマーケッターの将来について考えてみた

Webマーケッターの将来について考える前に、まずはここ10年でWebマーケッティングがどのように変わってきたかを考えてみます。

かつて、商品やサービスを宣伝するWebメディアと言えば、Webサイトやブログが主流でしたが、スマートフォンやタブレットなどのモバイル機器の登場、SNSの登場などにより、Webマーケティングの手法も大きく進化してきました。

同時に営業の仕方も、かつてのような数打てば当たるという不特定多数へのものから、Webマーケティングによって取得した見込み客をターゲットとした効率的な方法に変わってきました。

ユーザーの購買行動は細かくリサーチされ、それに合わせたマーケティングを行うことが必須となりました。

Webマーケッターと営業担当の役割の変化

営業担当者はかつて、「営業は足で稼ぐ」と言われて一日中歩き回り、あるいは電話やダイレクトメールで新規顧客を開拓してきました。

中には、その人柄が認められて、かなり好成績を上げていた営業担当もいたことでしょう。

しかし、かなり非効率でした。

最近では多くの場合、購入にまで至る顧客は、興味を持つ最初の段階で、ネットですでに商品やサービスについての情報を取得しています。

ですから、Webマーケッターは、ネットユーザーがその「最初の段階」に至るチャンスをいかに多く、効率よく作るかが課題となります。

そうなると、企業は新規顧客開拓のためにWebマーケティング、営業、どちらに予算を割いた方がいいのかは自ずと決まってきます。

今後ますます、新規顧客開拓はWebマーケッターの仕事となり、営業担当は積極的に新規開拓というよりもカスタマーエクスペリエンスを高めるという役割になるでしょう。

「カスタマーエクスペリエンス」とは「顧客経験価値」のことです。

製品やサービス自体の物質的・金銭的な価値のことではなく、それを使用(利用)するに至る際の、または使用(利用)した際の経験から得られる満足度や心理的・感覚的な価値のことを指しています。

車の販売を例に挙げますと、ディーラーの接客態度、試乗した際に受けた説明、購入手続きの明確さ、下取り価格や車の値引き、付帯サービス、納期などによる顧客の満足度などがそれに当たります。

同じ商品であるなら、この価値が高い方が売れるわけです。

しかし、そのカスターマーエクスペリエンスの度合いを調べるのも、またWebマーケッターの仕事ですから、Webマーケッターと営業担当は情報を共有しつつ、効果的にタイアップしていく必要があります。

Webマーケッターの将来

Webマーケッターの将来について考える際に、2通りの意味合いがあります。

  1. Webマーケッターの仕事は将来的にも存続するのか?
  2. Webマーケッターの仕事は将来どのようになるのか?

の2つです。

1. Webマーケッターの仕事は将来的にも存続するのか?

商品やサービスの販売は、Webマーケッティングにかかっていると言ってもいいほど必要なものであり、Webマーケッターの需要が衰えることはないでしょう。

しかし、AIなどの技術の進歩により、マーケティングも自動化され、データ解析などにかかる手間は短縮されて行くと思われますが、自動化されてもそれを使いこなすのは人ですから、Webマーケッターの需要が減るということはありません。

また、Webの世界は日々刻々と変化して行きますから、その状況を察知して柔軟な対応を行う必要があります。

ですから、正確には新しい状況に即時に対応できるようなWebマーケッターの需要は、相変わらず高いと予想されます。

2. Webマーケッターの仕事は将来どのようになるのか?

先回りマーケッティング

Webマーケッターは、顧客のニーズやトレンドに合わせてマーケッティングを行ってきましたが、今後、顧客ニーズやトレンドの予測が簡単にできるようになり、先回りしてマーケティングを仕掛けることが求められるようになるでしょう。

ユーザー体験対策

10年以上前までの消費者は、商品やサービスの宣伝を見て商品を認知し、購入を決めていましたが、最近では、SNSの投稿や口コミが購入のきっかけや決め手になることが多くなってきています。

つまり、企業側の意図とは別に、ユーザーの体験が別のユーザーの購入につながったり、売れ行きが激減することがあるという事です。

ですから、企業としてはユーザーの体験がより良いものでなくては困るのです。

現在は、ブロガーに謝礼を払って、あたかもユーザーの体験記事であるかのような商品宣伝記事を書いてもらう、あるいは、無料で商品使用をする代わりに口コミを書いてもらう、などの施策を行っている企業も多くあります。

しかし、ユーザーも長い間の経験から、営業的な要素がある記事や投稿なのか、それとも真のユーザーの声なのかを判断できるようになってきました。

また、SNSでは一つの商品やサービスについてのユーザー主体のコミュニティができることもあり、そうなると、今やユーザーの体験がマーケティングを左右すると言っても過言ではありません。

そうした中、Webマーケッターは、いかに素晴らしい体験をユーザーに提供できるか、ということを企業に提案するスキルが強く求められてきます。

例えば、サプリメントやコスメの業界では、ユーザーに数日分の無料サンプルを使ってもらう、という手法はこれまでもありました。

それを使ったユーザーは口コミを書きますが、数日の使用では効果は出にくいものです。しかし、「効果がなかった」と書かれてしまっては、メーカーとしては逆効果になってしまうわけです。

そこで、単なるサンプル品ではなく、実際の商品1箱や1瓶を無料で使ってもらう、という企業も現れています。

その商品がよいものであれば、1箱・1瓶使う頃にはそれなりの効果が表れて、ユーザーはその「よい体験」をSNSや口コミに書き込みます。

そのユーザーは使用を継続しますし、別のユーザーへ体験のシェアも行ってくれるでしょう。

このように、ユーザーの体験に基づく影響への対策は、ますます重要になって来ると思われます。

業務の細分化・スペシャリストの登場

Webマーケティングと一口に言っても、時代と共にその仕事は多岐に渡るようになります。

特にSNSのように、瞬時によい情報や悪い情報が世界中に広まってしまうことや、ユーザーの体験が企業の思惑とは別にマーケティングを左右する場合があります。

大きな影響力のある事象についての対策は、それ専門の担当を設けたほうがいい場合もあり、今後マーケティングの仕事も細分化され、各分野においてスペシャリストが登場することも考えられます。

お菓子の「キットカット」が本来のお菓子としての意味合いとは別に、受験シーズンに「きっと勝つ」という意味合いで売れているという話は有名です。

この「きっと勝つ」というのは元々消費者の発想なのですが、それをメーカー側が受験生応援キャンペーンとして使うようになりました。

こうしたことをWebマーケッターが仕掛けて、SNSでシェアされていくようになることも期待されるようになるでしょう。

まとめ

ユーザーは基本的には、広告宣伝を好みません。

今後、技術の進歩によりデータ解析などが自動化され、効果的なWebマーケティングの手法が登場したとしても、同じようにユーザーが広告を避ける技術も進歩します。

Webマーケッターのそうした顧客の心理との戦いはこれからも続くでしょう。