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SWOT分析とは?SWOT分析のやり方や事例を徹底解説!

SWOT分析とは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの要因を分析する手法です。

マーケティングを行う際にリサーチや分析を行うことが重要ですが、何をどうすればいいのかわからないということはありませんか?

SWOT分析はマーケティング戦略を立案する際に、上記4つの環境分析を行うことで、目標達成が可能かどうか、可能でない場合はどの程度の乖離があるのか、達成するにはどうしたらいいのかなどを考えることができます。

ここでは、SWOT分析のやり方や事例についてご紹介したいと思います。

SWOT分析とは?

SWOT分析は、自社の現状を内部環境(自社の強みと弱み)と外部環境(機会と脅威)という側面から分析するための手法です。

下記のように、内部環境と外部環境それぞれについて、ポジティブ要因とネガティブ要因を分析します。

マーケティング戦略において目標を設定する場合、現状を把握する必要があり、その現状は下記の4項目に分けて考えることができます。

Strength(強み)

自社の強みは、これまでの経験、技術力、販売網、商品やサービスの長所、組織力の強さなど、他社よりも優れている点などを挙げて行きます。

Weakness(弱み)

自社の弱みは、経験のなさ、技術力の弱いところ、販売網が狭い、商品やサービスの短所、組織力の弱さなど、他社よりも劣っている点などを挙げて行きます。

Opportunity(機会)

機会とは、商品のプロモーションにとってチャンスとなる機会の事です。

たとえば、近隣にショッピングモールが立つので人口が増加する可能性、オリンピックがあるので外国人が多く訪問する可能性、近くに学校ができるので若者が増える可能性、など、あらゆる情報を入手します。

Threat(脅威)

脅威とは、自社商品やサービスの売り上げを脅かす存在、環境の事です。

他社が発売した新製品、ショッピングモールが閉店する、オリンピックが終わる、町全体が高齢化してきた、などの外的要因を挙げます。

SWOT分析が必要な理由

SWOT分析は多くの企業で取り入れられていますが、やみくもにマーケティングを行うのではなく、分析データに基づいた施策を考えることが大切です。

その中でもSWOT分析を行う必要性があるのは下記のような理由があります。

現状を把握

マーケティングを行うには、まずは現状をあらゆる角度から把握することが大切です。

現状が正確に把握できていないと、誰をターゲットにするのか、何を訴求するのかボヤけてしまい、売上につながらなくなってしまうこともあります。

現状のネガティブ要素対策を行う

ネガティブな要素についての対策を行う必要があります。

例えば、価格競争で他社に負けているのであれば価格を再検討する。自社製品(サービス)が他社に負けている部分がある場合は、別の付加価値を付ける、販路で負けているなら販路を拡大する、など、マイナス要素の改善を行います。

現状に基づいたマーケティング戦略を考える

現状を把握した上で戦略を考える際に、必ずしもネガティブ要素を排除できるとは限りません。

これ以上価格は下げられない、品質向上を行うにはかなり時間がかかる、などのケースも考えられます。

その場合、現状の商品(サービス)のまま、まだ未開発の新たなターゲットを設定する、新たな訴求を考える、別の広告方法を考えるなども視野に入れて行くことができます。

SWOT分析の流れと手順

1. 目的の明確化

これからの情報収集をやみくもに行うのではなく、無駄を省いて効率よく行うため、まずは目的を明確にします。

2. 仮説を立ててみる

目的を明確にしたところで、どの切り口について分析を行ったらいいか、という仮説を立てます。

仮説を立てないと、際限なく雑多な情報が集まってしまって収集がつかなくなり、焦点を見失ってしまうためです。

この仮説に基づいて、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの要因についての情報収集を行います。

一例を挙げてみましょう。

歯科医院が下記のような仮説を立てます。

  • 「日曜日に通常営業を行っている完全予約制の歯科医院は、他院が閉店している日に開院することは、患者独占状態なので、とても有効な施策のように思える。」
  • 「しかし、日曜日はドタキャン率がとても高く、1人30分の予約枠が午前中まるまる空いてしまうということも多々あるので、それほど売り上げにつながらない日も多い。」
  • 「それでもパートの人件費は休日割り増しを払っているため、実は戦略としては成功していないのではないか?」

3. 外部環境の情報収集

まずは、外部環境の分析から行います。

外部環境は、社会、経済、景気、業界の環境、顧客のニーズ、トレンドなど、自社に関連する「機会」と「脅威」をあぶり出していきます。

例えば、上記の歯科医院の例で考えると

  • 「働き方改革で残業が減って来たので、日曜日でなくても平日夜に歯医者に行ける人が多い環境になってきた」
  • 「近隣に夜遅くまで営業している他院があるので、日曜日に行かなくても、平日、学校や仕事帰りに夜遅く他院に行くことができる」
  • 「近隣は住宅街で、日曜日が休日の人が多い」
  • 「近隣にショッピングモールや遊戯施設などがあれば人通りも多くなり、買い物ついでに歯医者に来ることもできるので、立地がよくない。」
  • 「他院はチラシやHPが充実している」

というようなものです。

4. 内部環境の情報収集

内部環境は自社の強みと弱みをあぶりだします。他社に対抗できる強みはどのようなものがあるか、他社に負けているところはどこか、などについて把握しておく必要があります。

例えば、上記の歯科医院の例で考えると

  • 「日曜営業は強みでもあるが、ドタキャン率が高いことを考えると弱みにもなる」
  • 「受付、助手などは日曜日でもパート従業員を使っている」
  • 「日曜日に営業していることを近隣の人が知らない可能性がある(宣伝不足)」
  • 「チラシやHPなどで情報公開をしていない」

というようなものです。

5. 情報の整理

集めた情報を、間違いのない様に整理します。

各グループに分ける際は、例えば強みと弱みは表裏一体である場合もありますから、必ずしもどれか一つに属さないという場合もあることを理解しておきます。

6. 分析

マクロ環境の分析

外部環境の中でも、社会、経済、政治、自然など、純粋な外部環境のことをマクロ環境と言います。マクロ環境には、下記のようなフレームワークを使うことができます。

PEST分析

政治・法律環境/経済環境/社会的要因/技術的要因について、自社に与える影響を分析します。

ファイブフォース分析(5F分析)

自社が所属している業界の収益性に影響を及ぼす5つの要因(既存競争者の力、新規参入者(潜在的競争者)の力、代替品・サービスの力、買い手の力、売り手の力)を分析し、業界の構造を明確にするフレームワークです。

内部環境の分析

外部環境で分析した機会や脅威をリストアップした自社の強みや弱みと当てはめて行きます。

上記の歯科医院の例で考えると、

  • 「近隣の他院では、夜の営業を強化し、宣伝もしている。当院の場合は、日曜営業を行っているのにドタキャン率が高くて悩んでいる。そもそも当院は宣伝をしていないので、認知されていない可能性がある。」

などのように行います。

内部環境の分析には、下記のようなフレームワークを使うことができます。

3C分析

3C分析とは、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合他社)、Company(自社)」より、自社に関連した環境を分析する手法です。

VRIO分析

VRIO分析とは、Value(経済価値)、Rarity(希少性)、Inimitability(模倣困難性)、Organization(組織)の4つの観点から、自社の強みを分析するフレームワークです。

 

クロスSWOT分析

クロスSWOT分析とは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)をそれぞれ掛け合わせることで、それぞれを活かした戦略を立てることができます。

具体的には、以下のようなものがあります。

強み×機会

強みを活かしながら、チャンスを狙う施策を考える

強み×脅威

強みを活かしながら、脅威に対抗していく施策を考える

弱み×機会

弱みを補いながら、チャンスを狙う施策を考える

弱み×脅威

弱みを補いながら、脅威に対抗する施策を考える

SWOT分析の事例

歯科医院の事例

内部環境 強み 弱み
・平日に来られない人をターゲットに日曜日に営業を行っている

・日曜営業は救急の患者さんには好評
・託児室がある

・日曜日のドタキャン率が高い
・ドタキャンされても、パート従業員の時給が発生する
・チラシやHPなど宣伝をしていない
・平日は夜間の営業はしていない
外部環境 機会 脅威
・住宅街なので、患者候補は多い
・住宅街なので子供は多いので託児室は人気
・夜間営業をしている歯科医院が近隣にある。
・近隣歯科医院はチラシやHPが充実している
・近くにショッピング施設や、遊戯施設もないので、日曜日に歯科医院に来るきっかけがないか?

<分析結果>

  • 他院との差別化をする意味で、日曜営業を行っている。
  • 救急の患者さんには好評である一方、特に晴れの日はドタキャン率が多いことが悩み。
  • そもそも、日曜営業を認知されていない可能性もある。
  • 日曜日でもドタキャン率を減らすためには、ショッピングモールや遊戯施設の近くに移転する可能性も考えられる。
  • また、ドタキャンされた場合に、キャンセルが出た旨をすぐにHPやSNSで告知することもしたい。
  • 日曜日の営業は基本時給が発生するパート従業員を使わず、医師一人あるいは、家族が受付を行うなどで対応できないか。

リゾートホテルの事例

内部環境 強み 弱み
・リピーターが多い
・料理の評判が良い
・地域で唯一最高級牛肉をすべてのメニューで出している
・イベントを行っていて近隣他社とは差別化ができている
・交通の便が良くない
・口コミ点数がなかなか上がらない
・従業員のスキルにばらつきがある
・英語を話せるスタッフが一人しかいない
・リピーターが高齢化
外部環境 機会 脅威
・たまにテレビ番組で紹介される

・オリンピックまではインバウンド客が多め
・GWが10連休になる

・近隣に新しいホテルが2件建つ
・現在高めの口コミもたった1つの最低点を入れられると、売上がぐんと落ちることがある
・この地域への観光客が全体的に減っている

<分析結果>

  • 他社との差別化として行っているイベントをもう少し宣伝して、より他社との差別化を図るべきではないか。
  • 口コミ点数が上がらないと、売上にもつながりにくい側面があるので、口コミ点数を上げて行きたい。
  • そのためには、サービス、清掃、料理というホテル内で改善できる点について、もう一度チェックする必要がある。
  • GWの10連休は大きなチャンスとなるが、新しくできるホテルに顧客を取られてしまう可能性があるので、価格や料理のメニュー、イベントなどについてGWまでに大きく宣伝していきたい。
  • リピーターも高齢化してだんだん来てもらいにくくなる可能性があるため、若い世代のリピーターを作るための施策が必要である。

ラーメン店の事例

内部環境 強み 弱み
・ラインナップが豊富
・リピーターが多い
・外国人客が多い・外国人用のハンドブックで紹介されているため、外国人の観光ルートとして有名
・従業員が少ない
・店が狭い
・町はずれにある
・日本人客が少ない
外部環境 機会 脅威
・オリンピックまでにますます外国人が増えそう

・外国人用の日本のハンドブックに掲載されている

・近隣にマンションができる

・競合店が1件できた・ショッピングモールができる(フードコートにラーメン屋が入る)
・今シーズンは天候の関係で野菜が高い

<分析結果>

他社との差別化、自社の強みを生かすには下記のような施策が必要と考えます。

  • 外国人用のハンドブックにまで紹介されることを目標にする。
  • 外国人に喜ばれるような日本的サービスを行う。
  • SNSに投稿してもらいやすいような写真スポットを作る。
  • インスタ映えするようなメニューや内装を考えてみるなどの工夫をする。
  • 一方で、日本人の顧客を増やすため、マーケティングに力を入れる。
  • これまで少なかった女性同士の顧客を呼び込めるよう、女性にもウケるオシャレな内装にする。

まとめ

SWOT分析はマーケティング戦略を立案する上で、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの要因を分析する手法です。

SWOT分析を使うことで、無駄なく漏れなく、今置かれている状況を把握、分析することが可能です。

まずは、目的を明確にし、仮説を立てます。その上で、外部環境を先に分析し、内部環境と照らし合わせながら分析します。

また、SWOT分析の要因については、クロスSWOT分析を使うことによって、より正確な分析ができるようになります。

[記事公開日]2019.03.05
[最終更新日]2019.03.08
[ライター]natsu