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Webデザイナーの将来について考えてみた

Webデザイナーの将来について考えてみた

インターネットが普及し始めてから、20年余り過ぎ、Webデザインが本格的に行われるようになったのはここ10数年ほどになります。Webデザイナー人口も増え、ソフトが進化し、ネット上にテンプレートや画像素材なども多数登場し、ついにはHTMLの知識がなくてもWebサイトを作ることができるようになりました。Webサイトの制作単価も下がり、競争も激しくなってきました。

そうなると、「Webデザイナーには将来がないのでは」という議論がしばしば行われています。
その理由として考えられるものを、調べて紹介いたします。

(1)子供の頃からWeb制作を経験している世代が大人になり、Webデザイナーでなくても制作できる人が増える可能性がある
小学校からパソコンの授業が行われ、中学や高校では簡単なWebサイトを作るというIT科目も登場し、子供の頃からWebサイトを見ることだけでなく、制作することを覚えた子供たちが大人になると、プロに頼まなくてもそこそこのWebサイトなら作れる人がたくさんいます。
ですので、自社内でWeb担当を育成することが以前より容易になり、ある程度スキルアップした自社の制作経験者が制作・運営を担当し、Webデザイナーの需要が低下してくることも考えられます。
(2)お手軽な有料・無料のWebサイト作成ソフトの登場
HTMLの知識を必要としなくても使えるお手軽なJimdoやWixなどの有料・無料のWebサイト作成ソフトの登場で誰でも高機能が付属したWebサイトを制作することができるようになりました。このようなソフトを利用して自社内でWebサイトを制作する場合もあります。今後新しいシステムも登場し、ますます進化しして簡単に使えるようになると思われますからWebデザイナーの需要が低下してくると思われます。
(3)作業の分業化が進む
大型の案件を扱うWeb制作会社ではおおむね、作業を分業化しています。ディレクター、デザイナー、コーダー(フロントエンドエンジニア)、バックエンドエンジニアなどになります。ディレクターによってスケジュール・進行管理、クライアントとのコミュニケーションが行われ、各技術者はそうしたことに時間を取られることなく仕事に専念できる環境が整います。
その結果、各担当者は作業分野に特化したスキルをますます磨き、すべてをこなすWebデザイナーという職種が大幅に減少する、あるいは消滅するのではという考え方もあります。

そもそもWebデザイナーってどこまでの仕事を指しているの?

海外のWebデザイナーの年収が日本よりずっと高い事でもわかるように、海外ではWebデザイナーと言うと、デザイン、HTMLマークアップ(コーディング)ができることは当たり前で、フロントエンド、バックエンドのプログラミングやWebマーケティングのスキルまで要求されます。

日本においては、とりあえずデザインとHTMLマークアップができればWebデザイナーと名乗っているようです。Webデザイナーの将来を考える時に、どこまでのスキルを持っているデザイナーであるかでその将来像も変わってきます。

クライアントがWebデザイナーを必要とする理由

Webデザイナーが単に「Webサイトを制作する人」であれば、Webデザイナーでなくても、趣味で作ることができる人に頼んでもいいのかもしれません。今時は中学高校の部活や大学のサークル活動やゼミもWebサイトを持ち、Webサイトを作った経験がある学生も少なからずいますから、若い社員の中には一応のWebサイトを制作することができる人も一人や二人いることでしょう。

ところが、小規模企業のリニューアル案件を請け負うことになったWebデザイナーはよくクライアントからこのように言われます。「自社の社員がホームページ作ったのですが、やはりだめでした。作り直してください。」と。

上記(1)の「Webデザイナーでなくても制作できる人が増える可能性がある」も、(2)の「有料・無料のWebサイト作成ソフトの登場」もWebデザイナー以外の人がWeb制作をするようになる、という前提です。

Webデザイナー以外の人がクライアントの求めるレベルのWebサイトを作ることができるのか?

お手軽な有料・無料Webサイト作成ソフトを使って、テンプレートにテキストと画像を挿入すればいいだけの状態であったとしても、グラフィックに慣れていない人が作る場合、使用する写真がスマートフォンで撮影した少し薄暗いぼけているものであったり、使用する色の配色がまったく合わないものであったり、使用するタイトル画像のフォントが平凡過ぎるものであったり、WORDのワードアートで作ったものであったりする場合があります。そのような画像を使った場合、美しいテンプレートも台無しになってしまいます。

一方、Webデザイナーは写真一枚使うにも、トリミングしたり、明るさやコントラストを調整、マスクをかけたり、場合によっては不要な部分を消したり、追加したりとしっかり納得がいくまで加工します。また、たくさんのフォント素材を持っていますから、ロゴやタイトル画像を作成するにもサイトイメージに合ったフォントを選んで使用します。

そして、テンプレートに頼ることなく、自由な発想で美しく、機能的なWebサイトを作ることができます。単にWebサイトを制作すること自体の垣根は、時代と共に下がってきていますが、高度なデザイン技術は簡単に誰でも身に着くものではありませんから、一つのスキルとしてこれからも必要とされていくでしょう。そのためには、言うまでもなくデザイン力のあるデザイナーであることが前提ですから、常にデザイン研究は怠らないようにしたいものです。

上記(3)の「作業の分業化が進む」ことについて、各技術に特化した役割が一つの職種として完成し、何でも広く浅くこなすWebデザイナーという職種がなくなる可能性はないわけではありません。

しかし、大規模案件を複数の技術者がチームとなって請け負う場合、どうしても制作コストが高くなり、制作にかかる時間も長くなります。

既存のWebデザイナーに将来の道はあるのか?

仕業や個人事業主、個人経営の店舗などの小規模なWebサイトでは、多くの人件費をかけられません。その代わり、それほど高機能なWebサイトは求めないという事であれば、企画からデザイン、コーディング、フロントエンドのプログラミングくらいまでをこなすWebデザイナーの方が都合がいいという場合もあります。

その結果、大規模案件は各技術に特化した職種のチームが担当、小規模な案件やランディングページなどはWebデザイナーが担当、と住み分けが進む可能性もあります。

しかし、小規模案件であっても、今後のWebデザイナーは単にWebサイトを作ることだけを行っていれば、上記(1)(2)のような人に取って代わられてしまう可能性もあります。

そのためには、下記のようなことを常に意識しておく必要があります。

  • デザイン技術の向上
  • 常に最新トレンド情報の把握
  • Webマーケティングのスキル
  • 提案力やコミュニケーション力

クライアントの求めているものは「Webサイトを作ること」ではありません。サイトで紹介する「商品やサービスが売れる」ことです。ですから、「売れる」Webサイトを制作・運営できるWebデザイナーであれば将来的にも必要とされるでしょう。